しばらく更新できずにいました。すみません。前回は7月17日のフェローアカデミーのスクーリングの話をしました。それから今日までの間に、山形に出張(小児科医の私的集まりで講演)、コロナワクチン2回目接種、後期授業の準備など、いろいろありまして、、、息子が帰省して嬉しいこともありましたが、全体として思い出したくないことが多かったんでしょうね。夏の疲れ(?)で体調不良のところに、ワクチン接種後の発熱で、熱が下がっても頭が回転が鈍くなった感覚が続き、フェローの添削もなかなか進まず、納期を少しずらしてもらいました。
そんなわけで、ブログもご無沙汰してましたが、1カ月以上更新しないと、よくわからない宣伝記事がトップにきたり、ロクなことがなかった過去の経験を踏まえ、何か書こうと思い、選んだのが標題の「子どもの言葉の発達と外国語学習」。
…といっても本の引用なんですが、私にはとてもヒット!した部分を紹介します。
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『子どもの発達に合わせたお母さんの語りかけ 0~4歳ことばと心を豊かに育てる』
中川信子著 PHP研究所 P60より
【ことばの育ち】
1歳を過ぎると、赤ちゃんはわかることばの数が急激に増えます。
(中略)
一方で、話しことばはゆっくりとしか増えずギャップを感じる頃です。赤ちゃんはすでに母国語の音をマスターし、正しい順番に並べて単語を言うための準備段階に入っています。そのためには同じ単語をくりかえし聞くのがいちばんです。
私たちは外国語を学習するときには、同じ単語をくり返し聞いて、発音をまねて覚えます。赤ちゃんも同じです。いろいろな場面で同じ単語を聞くと、さらに使い方や意味がよくわかります。
たとえば洋服は、着ていても、タンスに入っていても、ベランダに干してあっても、いつでも「洋服」と呼ばれているとわかってきます。
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著者の中川信子先生は言語聴覚士で、この本以外にも、こどもの言葉の発達に関する著書や翻訳書がたくさんあります。
この本は、本を開いて右側のページは文字情報、左側は大人から子どもへの語りかけのシーンを描いたイラストという構成で統一されています。
右側のページは、「△カ月の頃 ○○○○○○○○○」というタイトルで始まります。例えば、
「0カ月~3カ月の頃 少し高い声で語りかける」
「4カ月~6カ月の頃 ことばをゆっくり区切って言う」
「7カ月~9カ月の頃 「見る」と「聞く」を一致させる」 といった感じです。
そしてご紹介したページのタイトルは
「1歳~1歳3カ月の頃 くり返しと調子づけが興味をひく」
また左側のイラストの下の「気をつけよう!」の欄には
「単調なトーンで語りかけると、単語の音が聞きとりづらいことも」 とあります。
同じP60 から、もう少し引用させてもらいます。
【語りかけのポイント】
くり返しことばを聞かせるには、赤ちゃんが興味を持っているものについて、短い分の中に名前をくり返すといいでしょう。たとえば、赤ちゃんが転がるボールを追いかけて遊んでいるようなら「ボールだよ」「ボール/とれたね」「ボール/コロコロ/転がったね」などと言います。
(中略)
ふつうに話すときよりも大きめの声で、声にさまざまな調子をつけて話すと、赤ちゃんはお母さんの話に集中します。調子つけて楽しく話すと、赤ちゃんはうれしそうにお母さんの声を聞いているのがわかります。また、この話し方は、1つひとつの単語の音がわかりやすいので、赤ちゃんがことばを覚えるのに役立ちます。
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最初に読んだときも、これらの部分にハイライトしましたが、今こうしてタイプしていても、素晴らしいですねえ。読んで思い出したことが色々ありますが、今日は本の紹介ということで、この辺で。
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