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西村多寿子のブログ

医学英語教育・医工連携・外国ルーツの子どもの日本語習得支援が最近のキーワード

バイリンガル(多言語)環境における乳幼児の言葉の遅れ ~健診の現場から(1)~

 前回、ブログのサブタイトル(説明文)を変更したと書き、最近のキーワードの1つに「外国ルーツの子どもの日本語習得支援」を入れました。実は、2年前から週に1~2回、地元の保健センターの健診業務(1歳半健診・3歳児健診)に保健師として関わっています。一般のパート保健師と同様に予診業務(問診票の内容確認)をしていますが、ご両親のいずれかが日本語を母語とせず、ご自宅が多言語環境にあるお子さんの場合には、私が担当することが多いです。

 健診時は、お子さんの日本語と英語での受け答えについて確認するようにしていますが、ご両親が東アジア出身者の場合、英語と日本語に加えて、その国の母語も年齢相応に話せる(らしい)お子さんもいて、「トリリンガルとはすごい!」と感心することもあります。

 しかし他方で、例えば3歳児健診で、日本語も英語も2歳児前後の言語発達に留まっているように見られるケースもあります。両親とも日本人で日本語が母語にも関わらず、子どもが起きている時間帯はほぼ英語で接してきたと話した母親もいました。

 私は、乳幼児期のバイリンガル教育が問題だ、などと言うつもりはありません。しかし、とても複雑です。言葉の遅れなのか、言葉の違いなのか、という問題だけでなく、子どもの心身全体の発達とも関わります。その子どもの親の出身国(地域)の文化の差もあります。実際のところ、評価軸が多すぎて、研究テーマとして立ち上げにくいです。バイリンガルの言語発達の研究はよくみかけますが、対象者の偏りがあるのではないかというのが、地域全体を対象にする自治体で子どもを見ている人間の感想です。

 今年3月14日に、九州大学大学院・言語運用総合研究センターの社会人連携特別セミナー『ことばを考える』で、講演の一部を担当させていただきました。聴講者の多くは、日本語教師や言語聴覚士の方だったので、この問題に少し触れました。健診の現場で色々なケースを目の当たりにして、「多言語環境にある乳幼児(未就学児)のことばの支援、あるいは、親御さんへの助言が必要なことがある」 これは確かだろうと思っています。

 それで、かなり長いこと迷っていたのですが、このブログの場で、思いたったときに少しずつ書き溜めていくことにします。有言実行タイプなので、まず公言しないと進められない性格なんです。少し書いては直したり、編集したり、削除したりしながら、これは残そうと思ったものは、preschool-kotoba サイトのほうに採用したいと思います。
https://preschool-kotoba.online/

 乳幼児向けの英語産業の方を敵に回すつもりはないですが、「(日本に住んでいれば)ほっといても日本語は話せるようなる」みたいなことを言う人がいたら、きちんと議論したいと考えています。
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