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にしむらたずこ

Author:にしむらたずこ
医療ライター 兼 医学英語講師
プレミアム医学英語教育事務所代表 http://www.premium-english.biz/

仕事や暮らしの中で思ったことを書き留めています。

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■since 2007/01/18
足の動脈血栓とがんの関係
6日に公開された海外論文紹介記事です。

 Circulation誌から
 下肢動脈血栓症は不顕性癌のマーカーに
 特に喫煙に関係する癌でリスク上昇
 https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201809/557648.html

 がん患者さんに静脈血栓塞栓症が多いことは知られていますが、静脈ではなく動脈について、つまり足の動脈血栓とがんの関係について調べた論文です。この研究ではデンマークの患者レジストリを使ったとのこと、国民全体の悉皆調査(対象全てを調べること)ができるのが、デンマークやスウェーデンの研究の強みだと思います。

 ところで、昨日まで、フェロー・アカデミーの通信講座で扱っている英語論文(出題文)の翻訳答案の添削をしていました。訳すのも難しかったですが、サブグループ解析の内容を説明する解説文を書くのが超むずかしくって、時間をかかけて、いろんなサイトを調べまくりました。紹介記事を書くときは、1週間で仕上げないといけないこともあって、自分の理解が曖昧な部分は要約にせずに済ましてしまいますが、講師として、訳例を提示して、どうしてその訳になったかを、英語文法的に医学的に統計学的に説明をするとなると、ごまかしがききません。人に教えると共に、自分の学習にもなっていると思います。

メディカル翻訳・ライティング | 18:34:43
論文紹介記事 & 通信講座のスクーリング
7月30日に公開された論文紹介記事です。

Eur Heart J誌から
個体内脂質変動は冠動脈硬化の進行と関連
積極的脂質低下に加え、低下状態の保持が重要か

血圧の来院ごとの変動性(visit-to-visit variability)が大きいと心血管イベントのリスクになることが注目されていますが、LDL-Cをはじめとする脂質についても同様のことが言えることを示した研究結果です。結論として著者は、「積極的に脂質を低下させるだけでなく、低下した状態で保持することが重要」と主張しています。

それから28日午後に、フェロー・アカデミーの通信講座マスターコース「メディカル」の直接講義がありました。最初の1時間半の講義では、医学英語の学習、論文のざっくりとした読み方、統計記述の英語表現など、ふだんの通信講座ではなかなかお伝えできないことを盛り込みました。その後の茶話会では、参加者の皆さんに自己紹介していただいた上で、翻訳会社のトライアルのことや、翻訳との向き合い方、仕事の選び方など、いろいろな話をしました。異常な進路をとる台風の影響で大荒れの天気だったにも関わらず、12名もの方が参加してくださり嬉しかったです。ありがとうございました!

メディカル翻訳・ライティング | 18:48:06
心不全患者が家庭で過ごす時間を保険請求データから算出する
日経メディカル オンライン 海外論文ピックアップにて、私が執筆した論文紹介記事です。

J Am Coll Cardiol誌から
「家庭での時間」は心不全アウトカムの指標に
心不全患者レジストリとメディケアデータの分析
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201806/556711.html

「家庭での時間(home-time)」が心不全で入院した患者の退院後の状況を示す指標として有用だという話です。米国メディケアの請求データと患者レジストリを使った研究で、米国では、このhome-timeは、患者中心の評価指標として注目されているようです。本研究により、高齢の心不全患者は、退院後の時間の多くを家ではない場所(高度看護施設SNFなど)で過ごしていることが明らかになったとともに、この指標は、複数の患者特性と関連し、従来の心不全アウトカムとも相関していた、と述べています。

メディカル翻訳・ライティング | 18:30:24
EBM (Evidence Based Medicine) の研究会
 13日の夜、横浜市立市民病院で開かれた神奈川EBM実践研究会に初参加しました。テーマは「製薬会社の説明会のききかた~ゾフルーザのパンフを斬る~」で、講師は総合診療で有名な南郷栄秀先生らでした。当日朝に開催を知ったのですが、南郷先生の話はずっと聞きたかったので、万難排して参加しました😁 医師役、薬剤師役、MR役に扮しての迫真の演技には思わず笑ってしまいましたが、パンフに掲載された情報の吟味、参加者とのディスカッションなど、とても勉強になりました。
 
 製薬会社のMRさんは、自社製品を使用してもらいたいがために、医師に製品説明をします。その際には、なるべくいい気分で説明を聞いてもらうために高級弁当を用意することもあるでしょう。学会のランチョンセミナーもしかり。それが、製薬会社のビジネスです。当日の演技でも、MRは決して悪者ではありませんでした。ただし、もしこうした接待のみで医師の処方行動が変わるとしたら、患者側からすれば、疑問を投げかけたくなりますよね。
 最近のパンフレットは、以前よりはきちんと臨床試験のデータを載せてあるようですが、それでもいくつかツッコミどころはあります。読み手がデータを批判的に吟味する力が求められます。

 この手の話題はライブで、その場にいないと大事なところが見えてこないので、このあたりでやめておきますが、南郷先生達の取り組みを通して、エビデンスとは何か、実践とは何か、エビデンスと実践のギャップを埋めるものは何か、について改めて考えさせられました。

メディカル翻訳・ライティング | 09:47:02
日本発の臨床試験の論文がCirculation誌に
 冠動脈疾患を有する日本人患者を対象としたREAL-CAD試験の論文紹介記事が昨日(29日)公開されました。筆頭著者3人のうち、おひとりの先生を知っていたので、この機会に色々質問することができて、とても勉強になりました。数年前、高血圧治療薬ディオバンの臨床研究不正事件により、複数の論文が撤回されたことがあります。今回、多くの日本人医師(循環器専門医)が関わった医師主導型臨床試験の論文が同誌に掲載されたのは、喜ばしいことだと思います。

Circulation誌から
高用量スタチンはアジア人でも心イベント抑制
冠動脈疾患の日本人患者を対象にしたREAL-CAD試験から

 それから、東京大学弥生講堂で開かれた日本メディカルライター協会の講演会に行ってきました。テーマは 『ガイドラインをふまえてプロトコールや統計解析計画書をどう書くか』でした。近年、臨床試験のための統計解析計画について、ICH(医薬品規制調和国際会議)で活発に議論され、新しいガイドラインでは、欠損値の取り扱いについて”estimand"という新しい概念が導入されました。

 estimandについて説明すると長くなるので、別のところで調べてほしいのですが、将来的には、医薬品や医療機器の承認申請を目的とした治験に限らず、上記のような医師主導型の臨床試験においても、研究をデザインする際には、estimandの構成要素(対象集団、評価項目、中間事象(intercurrent events) 、集団レベルでの変数の要約)といったことを考慮して、プロトコールや統計解析計画を検討することが必要になってきそうです。

メディカル翻訳・ライティング | 10:46:31
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