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にしむらたずこ

Author:にしむらたずこ
医療ライター 兼 医学英語講師
プレミアム医学英語教育事務所代表 http://www.premium-english.biz/

仕事や暮らしの中で思ったことを書き留めています。

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専門医が読むジャーナルを要約するのはタイヘン
京都に行く前に書いた論文紹介記事が10月末に公開されていました。時間がたっているので、自分がどう書いたか覚えておらず、一読者として通読してみました。

J Am Coll Cardiol誌から
心房細動の癌患者は心臓専門医の評価を受けて
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201810/558462.html

米国の保険請求データベースを使った研究です。がん患者さんはがん専門医にかかっていることが多く、心房細動があっても心臓専門医の評価を受けることが少ないことが背景にある模様。でも心房細動が出たら心臓専門医に評価を受けて、そちらの治療もきちんと受けるほうが、脳卒中リスクが低下していたようです。まあ当たり前といえば当たり前の話ですが、メッセージとしては、「心房細動の癌患者は心臓専門医の評価を受けてほしい」ということだろうなあ、と思ってそうしました。原著論文のタイトルは、Provider Specialty, Anticoagulation, and Stroke Risk in Patients With Atrial Fibrillation and Cancer (心房細動とがんを有する患者における、医療提供者の専門性、抗凝固薬、脳卒中のリスク)ですから、もっと中立的です。でも記事なんで、メッセージ性の強いタイトルにしました。

この医学ジャーナル、J Am Coll Cardiol誌は、正式には、Journal of American College of Cardiology といって、ACC(American College of Cardiology、アメリカ心臓学会)が発行しています。要は循環器領域の臨床研究者が目標にするメジャーなジャーナルでして、ハッキリ言って、NEJMとかLancetのように広く色んな領域の医師が読むジャーナルよりも要約するのが難しいんです。そもそも専門医の中で常識的なことはすっ飛ばして書いてあるし、論理展開がわからないと、なんでこの項目を調べたのかが、さっぱり見えてこない。そんなわけで、かなり苦労して要約して、結論にこぎつけて、そこからのメッセージをタイトルにしたとご理解ください。

メディカル翻訳・ライティング | 14:47:18
米国の高血圧ガイドラインは中国でも使えるか
ノーベル医学生理学賞に京大の本庶教授が選ばれたニュース、最近、京都と縁のある私は何だか嬉しいです。 
 さてさて、しばらく間があいてしまってすみません。仕事に加えて、私自身も論文を書いているので、データ解析やインタビューで忙しくしています。それについては、きちんと形になったら紹介しますが、今日は中国発の研究論文の紹介記事です。

J Am Coll Cardiol誌から
ACC/AHA新基準「ステージ1高血圧」は有用か
中国地域住民コホート研究のデータをもとに検討

米国の高血圧ガイドライン2017で定義された「ステージ1高血圧」を他国で採用した場合にどうなるか、中国の研究者が自国のコホート研究のデータを用いて検討しています。


メディカル翻訳・ライティング | 19:02:38
足の動脈血栓とがんの関係
6日に公開された海外論文紹介記事です。

 Circulation誌から
 下肢動脈血栓症は不顕性癌のマーカーに
 特に喫煙に関係する癌でリスク上昇
 https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201809/557648.html

 がん患者さんに静脈血栓塞栓症が多いことは知られていますが、静脈ではなく動脈について、つまり足の動脈血栓とがんの関係について調べた論文です。この研究ではデンマークの患者レジストリを使ったとのこと、国民全体の悉皆調査(対象全てを調べること)ができるのが、デンマークやスウェーデンの研究の強みだと思います。

 ところで、昨日まで、フェロー・アカデミーの通信講座で扱っている英語論文(出題文)の翻訳答案の添削をしていました。訳すのも難しかったですが、サブグループ解析の内容を説明する解説文を書くのが超むずかしくって、時間をかかけて、いろんなサイトを調べまくりました。紹介記事を書くときは、1週間で仕上げないといけないこともあって、自分の理解が曖昧な部分は要約にせずに済ましてしまいますが、講師として、訳例を提示して、どうしてその訳になったかを、英語文法的に医学的に統計学的に説明をするとなると、ごまかしがききません。人に教えると共に、自分の学習にもなっていると思います。

メディカル翻訳・ライティング | 18:34:43
論文紹介記事 & 通信講座のスクーリング
7月30日に公開された論文紹介記事です。

Eur Heart J誌から
個体内脂質変動は冠動脈硬化の進行と関連
積極的脂質低下に加え、低下状態の保持が重要か

血圧の来院ごとの変動性(visit-to-visit variability)が大きいと心血管イベントのリスクになることが注目されていますが、LDL-Cをはじめとする脂質についても同様のことが言えることを示した研究結果です。結論として著者は、「積極的に脂質を低下させるだけでなく、低下した状態で保持することが重要」と主張しています。

それから28日午後に、フェロー・アカデミーの通信講座マスターコース「メディカル」の直接講義がありました。最初の1時間半の講義では、医学英語の学習、論文のざっくりとした読み方、統計記述の英語表現など、ふだんの通信講座ではなかなかお伝えできないことを盛り込みました。その後の茶話会では、参加者の皆さんに自己紹介していただいた上で、翻訳会社のトライアルのことや、翻訳との向き合い方、仕事の選び方など、いろいろな話をしました。異常な進路をとる台風の影響で大荒れの天気だったにも関わらず、12名もの方が参加してくださり嬉しかったです。ありがとうございました!

メディカル翻訳・ライティング | 18:48:06
心不全患者が家庭で過ごす時間を保険請求データから算出する
日経メディカル オンライン 海外論文ピックアップにて、私が執筆した論文紹介記事です。

J Am Coll Cardiol誌から
「家庭での時間」は心不全アウトカムの指標に
心不全患者レジストリとメディケアデータの分析
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201806/556711.html

「家庭での時間(home-time)」が心不全で入院した患者の退院後の状況を示す指標として有用だという話です。米国メディケアの請求データと患者レジストリを使った研究で、米国では、このhome-timeは、患者中心の評価指標として注目されているようです。本研究により、高齢の心不全患者は、退院後の時間の多くを家ではない場所(高度看護施設SNFなど)で過ごしていることが明らかになったとともに、この指標は、複数の患者特性と関連し、従来の心不全アウトカムとも相関していた、と述べています。

メディカル翻訳・ライティング | 18:30:24
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