西村多寿子のブログ

器用貧乏なメディカルライターの備忘録

分析が細かくて、まとめるのが難しい論文

 先週金曜日(16日)に公開された論文紹介記事です。
SGLT2阻害薬エンパグリフロジンは尿糖排泄を促進し血糖値を下げる薬です。それって尿糖のチェックが必要だから臨床での使い勝手はどうなんだろう?と思ったりしますが、長期的にみると、心不全アウトカムの改善(心不全による入院、心血管死などの低減)に役立つようです。

Eur Heart J誌から
エンパグリフロジン、心不全アウトカム改善に効果
EMPA-REG OUTCOME試験の詳細分析

論文の流れとしては、EMPA-REG OUTCOME試験の主要結果をざっと解説したあと、本研究の目的3つについて、研究方法の詳細を述べ、その結果が記述されます。しかし、同じように記事を書くと前半が長くて複雑になるので、結果のパラグラフのところに分類方法を入れるなどして、研究目的3つについて、結果を順に読めばわかるようにまとめてみました。時間経過のくだりについては、本文の記述がわかりづらかったので、Fig2のAとBを文章化してみました。

NEJMに出るようなランダム化比較試験の主要結果は、比較的シンプルですが、同時にとったデータを詳細分析して、EHJ誌やJACC誌に載せるような論文は、分類や定義が細かいですねえ。さらにリスクスコアが低い集団についてのハザード比の結果や考察もあったのですが、すでに長くなりすぎたのでやめました。なかなか手ごわい論文でした。

フェロー・アカデミー 担当講座のご案内

 しばらく更新が滞ってしまいました。ごめんなさい。この間、これまでの仕事の縁で、保健師・栄養士向けの「スマート和食マスター講座」に参加したり、社労士、中小企業診断士、保健師等を対象にした「健康経営アドバイザー(上級)」の研修を受けたり、糖尿病治療薬関連の論文紹介記事を書いたりしていました。私にしてみれば、どれも繋がっているので、双方向に知見を活かせるのですが、このような形で仕事をしている人は稀だと思います。要は、器用貧乏なんでしょうねえ。確定申告(青色申告)の書類を作成中ですが、なかなか収入も伸びないし… でも昨年は長年の念願かなって北欧に行けたし、会社員よりは明らかに自由度の高い生き方をしていると思います。その中で出会った人々とさまざまな経験が、私の真の財産です。

 さて、 4月以降に私が担当するメディカル翻訳の通学講座と通信講座の案内がフェロー・アカデミーのサイトに出ています。通学講座(実務中級・メディカル)の翻訳体験レッスン(3月10日 16:15~)の締め切りがせまっていますので、ご希望の方は下記サイトからお申込みください。
フェロー・アカデミー 翻訳体験レッスン (現在受付中の体験レッスン⇒実務翻訳コースの体験レッスン⇒「メディカル」)
https://www.fellow-academy.com/fellow/pages/lesson/index.jsp

通信講座(マスターコース・メディカル)の案内はこちら↓ 選抜課題文の提出の締め切りは3月1日です。
https://www.fellow-academy.com/fellow/pages/home/master/wjmn.jsp

語彙を増やし、文法に強くなる

医療従事者のキャリアについて考えるサイト Alter Talk にて「新しい時代を生きる医療従事者と英語」の連載第4回が公開されました。今回は「語彙を増やし、文法に強くなる」というタイトルで、ボキャブラリーの増やし方、文法学習について、学校英語との比較も交えて色々考察してみました。
 ■頻出単語やフレーズを覚えるには
 ■仮定法は勉強しなくていい!?
といった内容を扱っています。医学英語学習に興味のある方はご一読を。

下記のURLをクリックし、「医療従事者で会員登録をしていない方」→「医師」「薬剤師」「看護師」「その他医療従事者」のいずれかをクリックすれば、登録なしで読めます。
https://amn.astellas.jp/jp/astellasclub/altertalk/career/010.html

無症候性心筋梗塞と心不全の関係

本日(18日)に日経メディカルオンラインで公開された新着文献紹介記事です。タイトルをクリックすれば、記事のサイトに飛べます。

J Am Coll Cardiol誌から
無症候性心筋梗塞は心不全のリスク上昇と関連
米国ARIC研究の結果から

地域住民を対象とした前向きコホート研究において、1980年代後半から98年の間に心電図検査を4回実施し、その後13年に渡り追跡して、心筋梗塞(MI)と心不全イベントの関連を検討したところ、無症候性MIは心不全のリスク増加と有意に関連していた、という報告です。一般集団における無症候性MIの有病率は0.3%から4.8%と言われています。無症候性MIによる心不全新規発症のリスクは、臨床的に明らかな心筋梗塞のリスクほどは高くないですが、それでもMIのない集団と比べると、リスクが1.4~1.9倍になるようです。

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にしむらたずこ

Author:にしむらたずこ
医療ライター 兼 医学英語講師
プレミアム医学英語教育事務所代表 http://www.premium-english.biz/

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